パルマ カノッサの屈辱を仕掛けた女伯マチルダ&ヨーロッパの城は絶対見るべき

*カノッサ城 "カノッサの屈辱"の舞台

 

カノッサ城は敵が攻められない岩の山の頂上にある。灰色の斜面は岩肌。

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また、同じように近くの山の上にあるキャッスルと火を使って連絡をとり、敵から身を守っていた。城の敵から身を護る術は後述する。

 

 

カノッサ城自体はほんの一部しか残っていないが、その補強をした時に史跡が掘り出されたことから、数年後には公開できるものが増える予定。

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ローマ教皇グレゴリウス7世に会うのに、3日通ったハインリヒ4世は、到底皇帝が着ると思えない質素な服装に着替えさせられ、しかも裸足で平伏し許しを請いた。当時、裸足は貧しい人を意味し、皇帝にとって屈辱以外の何ものでもなかったであろう。

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ヨーロッパでは"Go to Canossa "という、有名なことわざがあり、赦しを貰う時に使う。

 

カノッサ城からみた夕焼け

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*地元ではカノッサの屈辱より有名なマチルダ女伯が住んでいた、ロザンナ

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カノッサは、もともと白い岩から名前が来ている。ロザンヌ城は多くの赤い岩を使っていたためロザンヌ城と呼ばれている。

 

カノッサ城もロザンヌ城も一億五千万年も前に起きた火山の噴火によってできた岩で建てられているため頑丈で、地震が起きてもビクともしない。だからこそマチルダは、小さくとも敵から攻められることがない場所に城を建てた、と言われている。

 

城の壁も壁と思えないほど分厚い。また、秘密の階段などもある。

 

ロザンヌ城から離れた所に塔がたっており、そこから敵を見張っていた

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カノッサ城、ロザンヌ城、塔のあいだで火や煙によるサインが決められており、お互いに連絡を取り合っていた。

 

日本ではカノッサの屈辱を歴史の授業で習うが、地元ではカノッサの屈辱よりマチルダ女伯の方が有名。

 

彼女がカノッサの屈辱を仕掛けた本人だと言うこと以上に、あの時代に人々の心をつかんだ女性だからである

 

名前はマチルダ•ディ•カノッサと言い、トスカーナからロンバルディア一帯を所有する大貴族の娘で皇帝のいとこであった。また教皇からも娘のようにおもわれていた。

 

当時は読み書きご出来る人が少ない中で、イタリア語以外にドイツ語とフランス語も話せた才女である。また、村人を護り、十字軍の遠征にも参加した勇敢な女性であった。

 

女性であったにもかかわらず、バチカンにも彼女の絵がかざられている。

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ロザンヌ城からみたカノッサ

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カノッサ城から見たロザンヌ城

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*トレッキアラ城 敵から身を守る仕掛けが満載

 

カノッサの屈辱が起きた11世紀は、敵軍から身を護るために山の頂上に城を建てたが、16世紀になるとキャッスルは丘の上に建てるようになった。

 

*トッレキアラ城 

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入り口

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高い方の出入り口が馬用で、低い方が人間用。分ける事で、敵の侵入リスクを減らしている。丸で囲った切り込みは、そこからドアの上げ下げをする仕掛けの跡である

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高い城壁。石の色の違いは、度重なる修正の跡を示している。

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窓の横の窪みも、矢を放つために使っていた

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丸で囲ったところから、矢を打ったり、石をなげたりしていた。また、熱した油や熱湯をかけることも。その後、敵から身を護る必要がない時代になると、窓や窪みも煉瓦で埋めてた。

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城壁の中の村人の家々。真ん中の回廊は、人が外に出ずに行き来するためのもの。

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写真に写っていないが、一階は馬や牛などの家畜が飼われ、二階より上が人間の住居。中に階段はない。人間は、二階の窓から梯子を下ろして家に出入りしていた。また、一階に家畜がいると二階の室温を上げる効果があった。

 

城壁の中にもまた門がある

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城から見える川。敵を見張っていた

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生活の知恵も
石畳は雪が降っても滑りにくい効果がある。また緩やかに真ん中に向かってvの字になっており、水を集めて流れるようにしている。石の向きも縦にして、流れやすくしている

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大事な水は城壁の中の井戸で貯めた

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光りは数少ない窓とロウソクで取っていた。そのため、窓に面した場所に部屋から部屋への出入り口を作り、なるべく光が通るようにした。

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台所

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流しに傾斜がついている
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**パルマ

敵の侵入の恐れが無くなる時代になると、パルマ城のように平地に城が建てられるように。

 

パルマ城で残っているのは主に城壁。All roads lead to Rome と言われている道の一つが、城の中を横切っている。また、城壁の中には見ておきたいものがいくつかある。

 

大聖堂

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地下礼拝堂
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サンタ•マリア•デッラスカッタータ教会

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*絶対食べるべきはパルメジャーノチーズとプロシュート

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パルメジャーノチーズは粉にしてふりかけたりせず、そのままブロックで食べるのがパルマ流。牧草でそだった牛の乳を使い、添加物など一切なく安全な食べ物。子供が病気になった時に食べさせている。

 

プロシュート

海からの南風を使って作ることで、自然な塩味がつく。細長い窓から風を入れている建物が、少し郊外に行くとたくさん見かけることができる

 

揚げたパンのトルタフリッタに挟んで食べるのが地元流

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このアルバゾンネも郷土料理

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中にほうれん草などがはいっていて、塩味も効いて美味しい

 

パルマ駅から車での移動。ヨーロッパの奥深さを感じる事ができる。

 

2019年10月27日〜10月29日